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特集 EBMからみた抗血栓薬の選択

Ⅱ.総論 1.抗血栓薬(抗血小板薬,抗凝固薬,線溶薬)の薬理

梅村和夫

血栓と循環 Vol.23 No.1, 11-15, 2015

「論文のポイント」
[1]抗血栓薬として抗血小板薬,抗凝固薬,線溶薬があり,それぞれの適応症に対して,適した用量,用法で使用される.それぞれの薬剤はその薬理学的なメカニズムが明確であり,目的に合った用量や用法が選択されるべきである.
[2]抗血小板薬として,よく使用されている薬剤は大きく4つに分類される.①アラキドン酸カスケードを抑制してトロンボキサンA2の産生を抑制する薬剤,②ADP刺激による血小板凝集を抑制する薬剤,③血小板内のcAMPを増加させることで,血小板凝集を抑制する薬剤,④セロトニン刺激による血小板凝集を抑制する薬剤である.
[3]抗凝固薬として,ワルファリン,抗トロンビン薬,抗Xa阻害薬,ヘパリンがある.
[4]血栓溶解は,線溶薬であるプラスミノゲンアクチベーター(PA)を投与することで行われる.PAはプラスミノゲンをプラスミンに変換し,生じたプラスミンが血栓の構成成分であるフィブリンを分解することで血栓を溶解する.
「キーワード」P2Y12受容体拮抗薬/アスピリン/抗トロンビン薬/抗Xa阻害薬/組織型プラスミノゲンアクチベーター

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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