特集 抗血栓療法のリスクベネフィット
4.抗血小板療法における虚血性心疾患リスクの低下
血栓と循環 Vol.22 No.2, 27-32, 2014
「論文のポイント」
[1]抗血小板療法による1次予防は心血管イベントを減少させるものの出血イベントを増加させるリスクもあるため, 出血のリスクを勘案したうえで症例毎に抗血小板薬投与の可否を検討すべきである.
[2]抗血小板療法による2次予防は各種の大規模臨床試験によりその有効性は確立されており, 禁忌がない限り全例抗血小板薬を投与すべきである.
[3]ステント留置後の抗血小板療法は, アスピリンとチエノピリジン系の2剤併用が基本であるが, ステント血栓症の少ない新しい薬剤溶出性ステントが開発されたことにより, DAPT継続期間については今後短縮していくことが期待される.
[4]プラスグレルをはじめとした新規の抗血小板薬の登場により, PCI早期の心血管イベント抑制効果が期待されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。