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特集 データブック 血栓症治療ガイドラインup-to-date

5.その他(薬剤,検査,腎臓,糖尿病等) 54.非経口抗凝固剤:抗血栓療法と血栓予防,第9版ACCPガイドライン―エビデンスに基づいた臨床実践ガイドライン

長谷川正裕湏藤啓広

血栓と循環 Vol.22 No.1, 237-239, 2014

出 典
Garcia DA, et al: CHARISMA Investigators:
Parenteral Anticoagulants: Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed: American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines.
Chest 141(2 Suppl): 24-43, 2012

「要約」本稿では承認されている非経口抗凝固剤の薬効薬理について説明する. 血漿のコファクターを介して作用する間接的抗凝固剤である未分画ヘパリン(UFH), 低分子量ヘパリン(LMWH), フォンダパリヌクス, ダナパロイドおよび直接的トロンビン阻害剤であるヒルジン, バイバリルジン, アルガトロバンが非経口抗凝固剤に含まれる. 「間接的非経口抗凝固剤」「1. ヘパリン」90年以上前にMcLeanがヘパリンに抗凝固能があることを見出した. ヘパリンが抗凝固能を示すためには血漿のコファクターを要することが示され, 1968年にAbildgaard 1)がアンチトロンビンIIIとして同定した. ヘパリンの主な抗凝固作用はヘパリンとアンチトロンビン(AT)の相互作用による. ヘパリンはATの陽性荷電残基と結合し, 立体構造の変化を起こし, ATのアルギニン活性中心はトロンビンや他の凝固酵素のセリン活性中心に共有結合する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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