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特集 データブック 血栓症治療ガイドラインup-to-date

4.動脈硬化危険因子 51.米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)による新たな2型糖尿病治療ガイドライン―日本のガイドラインとの違い

山田朋英植木浩二郎

血栓と循環 Vol.22 No.1, 222-225, 2014

出 典
Inzucchi SE, et al:
Management of hyperglycemia in type 2 diabetes: a patient-centered approach: position statement of the American Diabetes Association (ADA) and the European Association for the Study of Diabetes (EASD).
Diabetes Care 35(6): 1364-1379, 2012

「要約」欧州糖尿病学会(EASD)と米国糖尿病学会(ADA)はこれまでに2度, 高血糖管理のためのアルゴリズムを合同で発表してきた. 2006年に発表されたアルゴリズム1)では, 生活習慣の改善と共にメトホルミン薬を開始し, それでも血糖不良ならば基礎インスリン, スルフォニルウレア薬, チアゾリジン薬のいずれかを選択するという治療法が示された. 次に2009年に発表されたアルゴリズム2)では, 生活習慣の改善と共にメトホルミン薬を開始する点は2006年のアルゴリズムと同じであった. しかしこれでも血糖不良の場合は, 基礎インスリンかスルフォニルウレア薬どちらかの追加のみが勧められ, チアゾリジン薬やGLP-1受容体作動薬は1つ下の扱いとなった. しかし2009年以降, DPP-4阻害薬, GLP-1受容体作動薬などの新薬の出現により治療法が増えたことや, 種々の臨床試験で現行の治療法のリスクとベネフィットの報告が相次いだことで2型糖尿病の治療方針の選択肢には複雑さを増してきた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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