出 典
Weintraub WS, et al:
AHA Policy Statememt
Value of primordial and primary prevention for cardiovascular disease: a policy statement from the American Heart Association.
Circulation 124(8): 967-990, 2011

[要約] [出生時から始める予防医学,根拠] この文献では, 危険因子発生予防を目的とする予防メカニズムの観点(Primordial Prevention), そしてすでに存在する危険因子の有害事象の影響を最小限に抑制する目的である1次予防(Primary Prevention)の2つの観点から心血管疾患予防インターベンションの対費用効果を検討している1). 予防インターベンションは5つのライフステージに分けてそれぞれのステージで推進すべきであり, 特に早期段階の予防インターベンションについては費用効果が十分にあると述べている. 5つのライフステージとは, 胎児発育・母体環境, 新生児・小児期, 思春期, 成人期, 老年期である. 慢性疾患や, 肥満・糖尿病疾患などの研究の結果, 年々これらの疾患の発症率が増えているだけではなく, 発症期が早まってきている傾向であることが報告されている.このことより, 予防インターベンションは早期から必要であり, その結果が後期の結果につながることがわかる(表1).