出 典
Gorelick PB, et al:
Vascular contributions to cognitive impairment and dementia: a statement for healthcare professionals from the american heart association/american stroke association.
Stroke 42(9): 2672-2713, 2011

「要約」「はじめに」先進国の認知症の罹患率は, 65歳以上の人口の5~10%とされ, 発症率はアルツハイマー病(AD)が19.2/1,000人・年, 血管性認知症(VaD)が14.6/1,000人・年とされている. 以前は多発梗塞性認知症(MID)がVaDという用語で扱われてきたが, 最近, 認知障害(MCI)から認知症までの全領域を包括するVCIの概念が導入されている. VCIは血管性認知症に至らぬ血管性認知障害(VCIND)から認知症の徴候が揃ったVaDまでを包括し, 病理学的にも純粋なADから両者の混合型を経て, 純粋なVaDまでを包括している. 本書ではVCIを脳卒中, 血管性脳損傷または潜在性脳血管疾患が存在し, それに関連したごく軽微な徴候から重度の臨床徴候を示す認知障害としている. 脳卒中または血管性脳疾患に関連した認知障害の定義は年月を経て変遷しており, 本書においても, VaD, MID, PSD(脳卒中後認知症)のような用語がそれぞれの原著に従って用いられている.