出 典
Lansberg MG, et al:
Antithrombotic and thrombolytic therapy for ischemic stroke:
Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed: American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines.
Chest 141(2 Suppl): 601-636, 2012

「要約」「はじめに」米国胸部疾患学会(ACCP)から, 虚血性脳卒中患者に対する抗血栓療法・線溶療法ガイドライン9th(2012年)が発表された. 先に発表されたガイドライン8th(2008年)との変更点を中心に, 本ガイドラインについて概説する. 「急性期脳梗塞症例における組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue-plasminogen activator: t-PA)の静脈内投与」発症3時間以内であれば, 脳梗塞病型にかかわらず, t-PA静注療法が強く推奨される(Grade 1A)1). ただし, 投与例の7%弱に症候性頭蓋内出血の合併症が発生する危険性があり, 注意を要する2). 発症3時間以上4.5時間以内の症例においても, t-PA静注療法の適応となる(表1)(Grade 2C)3). 4.5時間以内では, 欧州基準に準拠し, 年齢>80歳, 脳梗塞および糖尿病の既往, NIHSS>25, 画像所見で中大脳動脈領域1/3以上の梗塞, の症例は除外される3).