特集 CKDと血栓 Anti-thrombosis and CKD―A new perspective for an old paradigm―
Ⅰ.血栓と腎の病態 1.血栓と上皮細胞障害
掲載誌
血栓と循環
Vol.21 No.2 6-10,
2013
著者名
小林凡子
/
長田道夫
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
腎臓
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
泌尿器科
/
老年科
媒体
血栓と循環
「論文のポイント」[1]糸球体濾過障壁は糸球体上皮細胞(ポドサイト), 基底膜, 糸球体内皮細胞から成り, 体液恒常維持に重要な役割を果たしている. [2]ポドサイトと糸球体内皮細胞の間には基底膜を介した濾過障壁形成機能発現に対する相互作用があることが推測される. [3]ポドサイト障害によって内皮細胞障害が起きることが臨床研究, 実験的研究から報告されている. [4]内皮細胞障害によるポドサイト障害のメカニズム解明については実験的手法が困難であったが, 近年ではさまざまな手法による実験的研究が散見されるようになった. [5]近年では抗VEGF抗体投与によるTMAの発症が報告されている. これはポドサイトが産生したVEGFが内皮細胞に供給できなくなったためと推測される. また抗VEGF抗体投与によるTMA(内皮細胞障害)により, FSGS病変(ポドサイト障害)が報告された例もある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。