§論文のポイント

[1]脳動脈瘤の動物モデルでは,慢性炎症反応により脳動脈瘤が形成されることが知られており,特にNF-κBの活性化により炎症関連遺伝子の発現が亢進することが重要とされている.

[2]Computational Fluid Dynamics(CFD)解析では.脳動脈瘤壁におけるせん断応力Wall Shear Stress(WSS)を基本とし,WSS関連血行力学的パラメータを計算する.

[3]WSS関連血行力学的パラメータには,WSSベクトルのゆらぎを示すOscillatory Shear Index(OSI),WSSの分布の均一性を評価するせん断応力勾配WSS Gradient(WSSG),WSSGベクトルのゆらぎを評価するGradient Oscillatory Number(GON),瞬時WSSベクトルと時間平均WSSベクトルの作る角度で評価するAneurysm Formation Indicator(AFI)などがある.

[4]脳動脈瘤の発生には,高いWSS,高いWSSG,高いGON,低いAFIが関与している.

[5]ブレブは脳動脈瘤の発生とは異なる血行力学的メカニズムにより発生すると推測されている.

§キーワード 脳動脈瘤/数値流体力学/せん断応力/せん断応力勾配