§論文のポイント

[1]新潟中越大震災後のDVT検診指針を参考に岩手県三陸沿岸南部でDVT検診を行った.

[2]発災から7~12週にかけて実施した陸前高田市,大槌町,釜石市のDVT検出頻度は1,274名中87例で平均6.8%(5.4~8.4%)であった.

[3]陸前高田市ではDVT頻度を避難所別にみると0~29%と避難所間の差が大きかった.

[4]DVT頻度は避難所間に差があり,避難環境に注目する必要がある.

[5]「津波が想定された地域」の避難所の環境が,DVT頻度が高い他県と差異があったのか,今後,問診票で聴取した項目や避難地域の状況からの解析が必要と思われる.

§キーワード 三陸沿岸(岩手県)/DVT(deep venous thrombosis)/東日本大震災/血栓症