背 景
血小板は,心筋梗塞や脳梗塞といった動脈血栓症の病態と深く関わることが示唆され,これまでに多くの大規模臨床治験により抗血小板薬の有効性が示されている.現在広く使われている抗血小板薬の作用機序は,アラキドン酸代謝抑制やADP受容体阻害など,いわゆる7回膜貫通型受容体を介する血小板活性化をターゲットとするものである.従来の抗血小板療法の有効性は立証されているものの,出血事象等の合併症,一部の患者における薬剤への不応症が問題となっており,これまでの抗血小板薬とは異なるターゲット,異なる機序をもつ抗血小板薬の開発が期待されている.このためには,新たな血小板活性化経路を見出すことが必要であろう.われわれは,蛇毒蛋白ロドサイチンの研究を通じて,既知の受容体とは異なる血小板活性化経路をもつ新しい受容体を同定した.
全文記事
遺伝子改変動物から学ぶ血栓症
第30回 CLEC-2欠損マウス
掲載誌
血栓と循環
Vol.19 No.4 4-8,
2011
著者名
井上克枝
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
血液
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
/
脳神経外科
/
神経内科
/
血液内科
媒体
血栓と循環
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。