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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など b.副作用 CHARISMA 1.安定した血管病あるいは血管病の危険因子のみを有する患者に対する抗血小板薬併用療法を伴う出血性合併症―Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization,Management,and Avoidance(CHARISMA)試験のサブ解析

石川ひろみ矢坂正弘

血栓と循環 Vol.19 No.3, 289-291, 2011

出 典
Berger PB, et al:CHARISMA Investigators:
Bleeding complications with dual antiplatelet therapy among patients with stable vascular disease or risk factors for vascular disease:results from the Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization, Management, and Avoidance(CHARISMA)trial.
Circulation 121:2575-2583, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 アスピリンやクロピドグレルによる抗血小板薬併用療法は,経皮的冠動脈形成術を施行される患者の血栓イベントを減少させる.しかしながら,出血リスクを考慮にいれると,クロピドグレルによる適切な加療期間は依然不明確であると言わざるをえない.CHARISMA試験ではアスピリンにクロピドグレルを加えた群とアスピリンにプラセボを加えた群が比較され,全体として解析すると,クロピドグレルの追加は血栓性イベントを減少させなかった.しかし,安定した血管疾患を有する群では心血管死,心筋梗塞,もしくは脳卒中が12%減少し,血管病のリスクのみを有する群では20%イベントが増加した.この結果から血管病のリスクのみを有する群でイベントが増加したのは出血性合併症の増加で説明できるか否か,安定した血管病を有する群でも併用療法の可否を論じるほど出血が増加するかが問題となる.そこで,安定した血管病を有する群と血管病のリスクのみを有する群で出血性合併症の発症率や発症時期を検討した.

対象

 45歳以上で,アテローム性血栓症の危険因子(糖尿病,糖尿病性腎症,足関節/上腕血圧比(ABI)<0.9,無症候性頸動脈閉塞(≧70%),1つ以上の頸動脈プラークなど),冠動脈疾患,脳血管疾患,症候性末梢血管疾患のうち1つを合併する患者15,603名.重症の肝不全,消化性潰瘍,増殖性糖尿病網膜症などの出血リスクが高い患者,重症出血の既往のある患者,出血性素因や凝固異常のある患者,ジピリダモール投与中,ワルファリンを必要とする患者は除外した.

方法

 多施設,二重盲検,ランダム化試験,intention-to-treat解析を行った.45歳以上の症候性あるいは危険因子を有する無症候性の患者,全例にアスピリン75~162mg/日を内服させた.対象を2群に分け,1群にはクロピドグレルの実薬(75mg/日)を内服させ,他の群にはクロピドグレルのプラセボを内服させた.安全性の1次エンドポイントはGUSTO定義による重症出血,有効性の1次エンドポイントは心血管死/心筋梗塞/脳卒中とした.平均追跡期間は28ヵ月.

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