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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など a.薬物療法 ATT 13.ランダム化比較試験のメタ解析によるアスピリンの1次予防および2次予防効果

後藤信哉

血栓と循環 Vol.19 No.3, 287-288, 2011

出 典
Baigent C, et al. Antithrombotic Trialists’ (ATT) Collaboration:
Aspirin in the primary and secondary prevention of vascular disease:collaborative meta-analysis of individual participant data from randomised trials.
Lancet 373(9678):1849-1860, 2009

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 アスピリンの服用により心筋梗塞に代表される動脈硬化/血栓性(アテローム血栓性)イベントの発症リスクを25%程度低下させうることは複数の臨床試験およびそれらのメタ解析(BMJ 308:81-106, 1994/BMJ 324:71-86, 2002)により明確に示されている.一方,アスピリンの服用により消化管出血に代表される出血性合併症の増加も事実である.年間の血栓イベントリスクが4%程度の2次予防の症例では,アスピリン介入のメリットはデメリットを上回ると理解される.一方,年間の血栓イベントリスクの低い1次予防症例におけるアスピリン介入のメリット/デメリットのバランスについては十分に検討されていない.
 Physicans’ Health Trialでは医師に対するアスピリン介入の1次予防効果のインパクトが示された.介入のリスク/ベネフィットをリスクの異なる症例群において検討することには意義が大きい.

対象

 登録症例をアスピリン介入群,アスピリン非介入群に無作為に割り付けた過去のランダム化比較試験の登録症例を対象とした.1次予防試験としては,1,000例以上の非糖尿病者を対象に2年以上の治療を行った試験への登録者を対象として,血管病の既往のある症例は除外した.2次予防の試験としては,2002年に発表されたATTメタ解析の対象とされた試験のうち,個別症例のデータが利用可能であった試験への登録者を対象とした.

方法

 1次予防試験の解析対象は95,000例,人年法では660,000人・年,観察期間内の重篤な血管イベント数は3,554件であった.具体的にはBDT, PHS, TPT, HOT, PPP, WHSの6試験を対象とした.2次予防試験の解析対象は17,000例,人年法では43,000人・年,重篤な血管イベント数は3,306件であった.具体的には心筋梗塞の既往例を対象とした6試験,脳卒中/TIAの既往を対象とした10試験を解析対象とした.

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