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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

8.薬物療法・副作用など a.薬物療法 FAMOUS 9.ファモチジンによる低用量アスピリン服用者における消化性潰瘍および逆流性食道炎発生予防についての第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照試験(FAMOUS試験)

藤城光弘

血栓と循環 Vol.19 No.3, 276-278, 2011

出 典
Taha AS, et al:
Famotidine for the prevention of peptic ulcers and oesophagitis in patients taking low-dose aspirin(FAMOUS):a phase Ⅲ, randomised, double-blind, placebo-controlled trial.
Lancet 374(9684):119-125, 2009

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 低用量アスピリン(75~325mg)は,脳・心血管性疾患の発症・再発抑制(1次・2次予防)に対し広く使用されているが,アスピリン服用に関連する潰瘍出血や穿孔など,時に致死的な上部消化管合併症の発生が問題となっている.消化性潰瘍の発生予防には,プロトンポンプ阻害薬(Proton pump inhibitor:PPI)の有用性が報告されているが(Yeomans N:Am J Gastroenterol 103:2465, 2008),PPIの長期使用には,費用,安全性の問題(骨折リスク,肺炎リスクの増加など)や,アスピリンと併用されることも多いクロピドグレルとの相互作用の問題など,懸念事項も存在する(Sheen E:Dig Dis Sci 56:931, 2011).また,一方で,低用量アスピリンの長期使用により逆流性食道炎が発生するという報告もみられていることから(Taha AS:Aliment Pharmacol Ther 23:489, 2006),低用量アスピリン服用時には何らかの酸分泌抑制は必要と考えられている.以上の理由により,本試験では,低用量アスピリン服用者を対象に,非アスピリンNSAIDs潰瘍予防のエビデンスを有し(Taha AS:N Engl J Med 334:1435, 1996),費用,安全性,薬剤相互作用の点で,PPIより忍容性の高いファモチジン20mg 1日2回投与の,消化性潰瘍と逆流性食道炎の発生予防における有効性と安全性を検討した.

対象

 UKのグラスゴー大学関連病院において,抗血栓療法として,低用量アスピリンを12週以上服用すると思われる18歳以上の患者404例(心血管科343例,糖尿病科24例,脳血管科37例)を対象とした.組み入れ時に,消化性潰瘍や逆流性食道炎を有する患者や,PPI,H2受容体拮抗薬(H2RA),スクラルファート,抗コリン薬,プロスタグランジン製剤,ワルファリン,ステロイド,化学療法剤,NSAIDs,ビスフォスフォネートなどの服用者,胃・十二指腸の術後患者,H.pylori除菌療法施行者など,結果に影響を及ぼす可能性がある因子を有する患者は対象から除外した.

方法

 対象患者を,コンピューターを用いた無作為化により,ファモチジン1日2回20mg投与群とプラセボ群に割り付け登録し,試験薬投与開始から12週間を評価期間とし,前向きに追跡した.投与開始12週後の3mm以上の消化性潰瘍もしくはロサンゼルス(LA)分類グレード A以上の逆流性食道炎の発生を主要評価項目に設定した.内視鏡による評価は登録時と12週後,臨床評価は登録時,6週後,12週後に施行した.

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