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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

7.検査法・診断法 2.危険因子を基にした新しいアプローチ法を用いた,心房細動例の脳梗塞,血栓塞栓症を予測する詳細な臨床的リスク層別化法

井上博

血栓と循環 Vol.19 No.3, 243-244, 2011

出 典
Lip GYH, et al:
Refining Clinical Risk Stratification for Predicting Stroke and Thromboembolism in Atrial Fibrillation Using a Novel Risk Factor-Based Approach. The Euro Heart Survey on Atrial Fibrillation.
CHEST 137:263-272, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 心房細動例の血栓塞栓症のリスク層別化法はさまざまなものが提案されている.これらは過去の臨床研究から抽出された主要な危険因子を用いたものであるが,問題がないわけではない.まず,同一集団に対して種々のリスク層別化法を用いた場合,低リスク,中リスク,高リスクに分類される割合が大きくばらつくことである.第二に,各種層別化法において汎用される「低,中,高リスク」という分類は便宜上の分類である.第三に,従来の層別化法では臨床的に重要な臨床背景が漏れている.例えば血管疾患(陳旧性心筋梗塞,末梢動脈疾患など)や女性が漏れている.第四に,年齢を75歳で区切ることが多いが,年齢はyes/noで分類できるものではない.心房細動例では,65歳以上になると脳梗塞のリスクが高まることがわかっている.
 本研究では,これらの危険因子を包含した新しいリスク層別化法の有用性を,ヨーロッパの観察研究であるEuro Heart Surveyのデータを用いて検証した.

対象

 ヨーロッパの182施設で2003~2004年にかけて診療を受けた心房細動例5,333例のうち,僧帽弁狭窄症や心臓弁膜症の外科手術を受けていない例で,しかも退院時に抗凝固薬の投与を受けていなかったものは1,577例であった.そのうち1,084例で,1年後の血栓塞栓症合併に関する情報があり,本研究の対象とした.

方法

 Birmingham 2009のリスク層別化法に用いられた危険因子をCHA2DS2-VAScとして点数化して(表1),血栓塞栓症のリスク層別化ができるか否かを,ヨーロッパで実際に診療されている非弁膜症性心房細動例を対象にして検討した.

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