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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

5.末梢血管・静脈血栓・肺塞栓 DIPAD 13.末梢動脈疾患(PAD)の非侵襲的診断の費用対効果における多施設ランダム化試験(DIPAD trial:Diagnostic Imaging of Peripheral Arterial Disease)

岡村哲平栗林幸夫

血栓と循環 Vol.19 No.3, 202-204, 2011

出 典
Ouwendijk R, et al:
Multicenter randomized controlled trial of the costs and effects of noninvasive diagnostic imaging in patients with peripheral arterial disease:the DIPAD trial.
AJR Am J Roentgenol 190(5):1349-1357, 2008

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 臨床症状およびABI(ankle-brachial index)の低下からPADと診断され,手術や血管内治療などの治療を施行する方針となった場合,超音波,造影CTA,MRAといった非侵襲的画像検査が施行される.いずれも高い感度,特異度を有しているが,それぞれに短所が存在する.超音波は術者に依存するところが大きく,治療の計画に際して解剖学的な詳細は知ることはできない.CTA,MRAは血管についての詳細な3D画像を得ることが可能であるが,MRAは検査が高価である点,アーチファクトによる評価困難例が存在する点,閉所恐怖症で適応外である欠点があり,CTAは被曝の問題やヨード造影剤による腎障害,血管壁の高度石灰化例では評価が困難である点,3D画像再構成に時間を要する欠点がある.
 これらの画像診断のうち,最初に施行する検査としてどれが最適か,診断の正確性のみならず,診断および治療に要する費用,運動機能やQOLの改善について検討するため,DIPAD(Diagnostic Imaging of Peripheral Arterial Disease)trialを行った.

対象

 2001~2003年までの間,オランダの4施設において,間歇性跛行や重症虚血を有し,ABI 0.90以下の患者がPADと診断され,そのうち画像検査を施行された514人が対象となった.MRA,CTAの不適応例や,早急な治療を要する例は対象外とされた.

方法

 最初に行う画像検査として,3施設ではMRAと超音波,1施設ではMRAとCTAに無作為に割り付け,MRAは250人,超音波は175人,CTAは80人で施行された.超音波は5もしくは7.5MHzのトランスデューサーを用い,MRAは1.5テスラの装置,CTAは16列のMDCT装置を用いた.QOLの評価は,4種の質問表を用い,治療前と,初回検査の2週間,3ヵ月,6ヵ月後に評価した.臨床症状の評価にはABIとトレッドミル試験を治療前と6ヵ月後に測定した.費用については,初回の画像検査および追加で施行された検査を合計して診断に要した費用とし,また手術や経皮的血管形成術などの治療に要した費用を算出し,それらに関連した入院,外来のコストを加算した.週に1度,血管外科医と放射線科医によるカンファレンスにおいて,初回検査の診断に対する確信度につき10段階の評価を行い,他に検査を追加すべきかが検討された.

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