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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

5.末梢血管・静脈血栓・肺塞栓 12.微量アルブミン尿と静脈血栓塞栓症のリスク

杉本昌之古森公浩

血栓と循環 Vol.19 No.3, 199-201, 2011

出 典
Mahmoodi BK, et al. Prevention of Renal and Vascular End-stage Disease (PREVEND) Study Group:
Microalbuminuria and risk of venous thromboembolism.
JAMA 301(17):1790-1797, 2009

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 凝固異常や血液うっ滞といった以前から知られている静脈血栓塞栓症(VTE)の誘因に加え,動脈硬化性疾患のリスクファクター(高血圧,高脂血症,糖尿病,肥満,喫煙など)がVTEに対してもリスクファクターとなりうることが最近示されてきた.
 また,近年の研究により,微量アルブミン尿(24時間蓄尿中アルブミン量30~300mg)が動脈血栓塞栓症のリスクファクターであることが知られるようになった.微量アルブミン尿は心血管イベントに関連する全身の血管内皮機能低下を反映しているものと考えられている.
 以上より,微量アルブミン尿は動脈血栓塞栓症のみならずVTEの発生にも関連があるのではないかと推測された.
 本研究では微量アルブミン尿がVTEのリスクファクターであるか否かについて検討した.

対象

 オランダのGroningenにおいて1997年から開始された地域参画型の前向きコホート研究であるPrevention of Renal and Vascular End-stage Disease(PREVEND) studyのコホートを研究対象とした.

方法

 Groningenの28~75歳の全住人(n=85,421)に質問票と早朝尿の検尿容器を送付し,40,856人で返答を得た.このうち9,966人で尿中アルブミン濃度(UAC)が10mg/L以上であった.妊娠中の女性およびインスリン使用中の糖尿病患者は除外した後,6,000人でstudyへの参加同意が得られた.
 一方,UACが10mg/L未満であった群のうち,同様に参加同意が得られ除外項目を満たさなかったのは22,482人であった.これらから無作為に抽出して参加同意が得られた2,592人をcontrol群としてstudyに組み入れた.
 計8,592人に外来で24時間蓄尿中アルブミン量(UAE)の測定と採血・診察,動脈硬化性疾患のリスクファクター(高血圧,糖尿病,高コレステロール血症,メタボリックシンドローム,BMI,喫煙有無,悪性疾患,経口避妊薬内服など)の評価を行った.24時間蓄尿ができなかった18人を除外し,最終的に8,574人を対象に解析を行った.
 24時間蓄尿による測定は2回行い,平均値をUAEとした.UAEの値によって,low-normal(15mg未満),high-normal(15~29mg),微量アルブミン尿(30~300mg),マクロアルブミン尿(>300mg)の各群に分類した.
 1997年1月1日~2007年6月1日までの間に画像検査もしくは剖検によって客観的に確認された症候性のVTE(深部静脈血栓症and/or 肺塞栓症)をoutcomeとし,イベント発生率へのUAEおよびその他のリスクファクターの影響を統計学的に検討した.

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