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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

5.末梢血管・静脈血栓・肺塞栓 CASTLE 3.PAD(末梢動脈疾患)患者におけるシロスタゾールの長期安全性―CASTLE試験(Cilostazol:A Study in Long term Effects)

宮本裕治

血栓と循環 Vol.19 No.3, 176-177, 2011

出 典
Hiatt WR, et al:
Long-term safety of cilostazol in patients with peripheral artery disease: the CASTLE study(Cilostazol:A Study in Long-term Effects).
J Vasc Surg 47(2):330-336, 2008

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 末梢動脈疾患(PAD)は心血管疾患のなかでも有病率が高く,罹病期間が長く死亡率が高い.シロスタゾールはPADの症状である間歇性跛行に対して有効な薬剤として米国FDAから承認を受けている.しかし,シロスタゾールはホスホジエステラーゼⅢ阻害薬という薬剤クラスに属しており,同クラスの他の薬剤(ミルリノンなど)は,心不全患者に使用した場合,死亡率が有意に増加するとされている.
 シロスタゾールの有効性を評価したいくつかの無作為化試験では,総死亡数が少なかったので安全性については評価できなかった.そこでFDAは承認時点でシロスタゾールの長期安全試験の追加を要求した.このようにして無作為化プラセボ対照試験であるCASTLE(Cilostazol:A Study in Long-term Effects)試験が開始された.本試験では,約3年間の患者追跡調査における全原因死亡率の評価が主目的で,心血管死亡率およびシロスタゾールの耐容性の評価が副目的とされた.

対象

 2001年5月~2003年9月に,合計数1,435例が無作為割付された.シロスタゾール群:717例,プラセボ群:718例.全体の平均年齢は66歳,66%が男性で79%が非ヒスパニック系白人であった.ABIや心血管危険因子の保有率には両群間で差がなかった.患者の86%が現在または過去の喫煙者で,36%は糖尿病,ほぼ30%には心筋梗塞の既往があり,10%には脳卒中の既往があった.また,抗血小板薬の使用率は両群とも高く差はなかった.例えばアスピリンはシロスタゾール群の73%,プラセボ群の70%で服用していた.また,スタチンは,両群で70%以上の患者が服用していた.

方法

 シロスタゾールまたはプラセボを,1回用量100mg(50mg錠剤2錠)として1日2回(1日総用量200mg)とした.ただし,医師が必要と判断した場合,1回1錠として1日2回に減量することが認められた.実際には,シロスタゾール群で15%,プラセボ群で16%が減量された.
 本研究の主目的は,シロスタゾールの安全性を全原因死亡率から評価することであったが,薬剤の服用中止率が高かったことと,大半の死亡は薬剤服用中止後30日以降に生じたことから,当初の2群による解析では薬剤の安全性またはリスクを正確には評価できないと判断された.よって,薬剤で生じた可能性がある死亡のデータを捉えやすいように,薬剤服用期間に30日を加えた期間(以下,この期間を「治療期間中:On-treatment」と称する)に生じた死亡について1次解析を行った.

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