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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

3.脳 d.脳梗塞の血栓溶解療法 EXPRESS 1.一過性脳虚血発作と軽症脳卒中に対する早期治療の効果(EXPRESS研究)

星野岳郎内山真一郎

血栓と循環 Vol.19 No.3, 155-157, 2011

出 典
Rothwell PM, et al. Early use of Existing Preventive Strategies for Stroke(EXPRESS)study:
Effect of urgent treatment of transient ischaemic attack and minor stroke on early recurrent stroke(EXPRESS study);a prospective population-based sequential comparison.
Lancet 370(9596):1432-1442, 2007

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)や軽症脳卒中は,発症後1週間以内の脳卒中再発リスクが10%にも及ぶ.これまでの研究から,抗血栓薬,降圧薬,スタチンの投与や高度の頸動脈狭窄例に対する内膜剥離術などを組み合わせて行うことによって,長期の再発リスクは80~90%低減できると解析されている.しかし,実際の臨床においては,一般家庭医を受診してから専門医を紹介されるまでの比較的短期間に再発する例も少なくない.よって本研究では,TIAおよび軽症脳卒中患者に対するより迅速な治療介入によって得られるベネフィットを検討した.

対象

 英国オクスフォードシャーの一般住民を対象としたOXVASC研究(Rothwell PM, et al:Lancet 366:1773-1783, 2005/Rothwell PM, et al:Lancet 363:1925-1933, 2004)のコホートを用いた.9施設・63名の一般家庭医にかかりつけである一般住民91,000例.

方法

 TIAおよび軽症脳卒中の診療プロトコールを改定した前後の期間(Phase Ⅰ:2002年4月~2004年9月,Phase Ⅱ:2004年10月~2007年3月)で,90日以内の脳卒中再発率を検討した.Phase Ⅰでは,まず一般家庭医の診察を受け,TIAや軽症脳卒中が疑われた場合には専門施設であるTIAクリニックにファックスで相談し,予約受診するシステムであった.一方Phase Ⅱでは,疑わしい症例は予約なしに直接TIAクリニックを受診させるシステムに改めた.
 Phase Ⅰでは抗血小板薬としてアスピリン75mgまたはクロピドグレル75mgを投与し,ハイリスク症例については両者を30日間併用した.また必要に応じてスタチン(シンバスタチン40mg),降圧薬(目標収縮期血圧:130mm Hg以下とし,ペリンドプリル4mg,必要ならインダパミド1.25mg追加),抗凝固薬を投与した.Phase Ⅱにおいては,急性期にアスピリン 300mgまたはクロピドグレル 300mgのローディングを行ったが,その他の治療内容はPhase Ⅰと同様であった.

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