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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

3.脳 b.脳梗塞の抗血小板療法 BAT 2.抗血栓薬内服患者における血圧値と出血イベント:Bleeding with Antithrombotic Therapy Study(BAT研究)

豊田一則

血栓と循環 Vol.19 No.3, 140-142, 2011

出 典
Toyoda K, et al. for the Bleeding with Antithrombotic Therapy(BAT)Study Group:
Blood pressure levels and bleeding events during antithrombotic therapy:the Bleeding with Antithrombotic Therapy(BAT)Study.
Stroke 41:1440-1444, 2010

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 アテローム血栓症の発症予防・再発予防に抗血栓療法は欠かせないが,その必然的な副作用として出血合併症がまれならず起こる.出血を避けるためには,適切な血圧管理が必要であろう.わが国の『脳卒中治療ガイドライン2009』にも,「ラクナ梗塞の再発予防に抗血小板薬の使用が奨められるが,十分な血圧のコントロールを行う必要がある」と記載されている.しかしながら,抗血栓薬服用者における適切な血圧管理指針は,国内外のいずれのガイドラインにも明記されていない.筆者らは,国内での多施設共同研究Bleeding with Antithrombotic Therapy Study (BAT研究,Toyoda K, et al:Stroke 39:1740-1745, 2008)の付随研究として,観察対象者の外来血圧値の推移と出血合併症の関係を調べた.ここではこの研究成績を,BAT主研究の成績と併せて紹介する.

対象

 2003年10月~2006年3月までに,国内19施設で脳血管障害や心臓血管病に対して抗血小板薬かワルファリンを服用開始または服用中の患者4,009例(男性2,728例,69±10歳)を登録した.

方法

 原則として月1回の頻度で外来診察を行い,出血・虚血イベントの発症を確認するとともに血圧値を測定した.抗血栓薬の選択は,患者の病態に応じて担当医の判断に任せた.MATCH試験(Diener HC, et al:Lancet 364:331-337, 2004)における重篤(life-threatening)ないし重症(major)出血をもって出血イベントとし,イベント発症をもって観察は打ち切られた.重篤出血は頭蓋内出血,出血死,出血性ショック,一定量の輸血を要する貧血などを指す.重症出血は,簡単にいえば入院治療を要する程度の出血を指す.観察期間中のイベントの有無によって患者を頭蓋内出血群,頭蓋外出血(頭蓋内出血以外の重篤・重症出血)群,出血なし群の3群に分けた.

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