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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

2.心臓 d.インターベンション TAXUS Ⅱ 3.TAXUS Ⅱトライアルにおける5年間の追跡結果―新規冠動脈1枝病変における2種類のパクリタキセル溶出性ステント(Slow-release:SR,Moderate-release:MR)の有効性を検討した無作為化臨床試験

鶴巻良允阿古潤哉

血栓と循環 Vol.19 No.3, 98-100, 2011

出 典
Silber S, et al:
Final 5-year results of the TAXUS Ⅱ trial: a randomized study to assess the effectiveness of slow- and moderate-release polymer-based paclitaxel-eluting stents for de novo coronary artery lesions.
Circulation 120(15):1498-1504, 2009

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 ベアメタルステント(BMS)の登場により再狭窄が減少し従来の血管内治療成績が著しく改善された.しかしながら,そのうちの20~40%はステント内再狭窄を認め,治療を困難にさせていた.薬剤用出性ステント(DES)が登場しベアメタルステントとの比較が検討されるようになり,TAXUSⅠトライアルではパクリタキセル溶出性ステントであるタクサスステントが新規冠動脈1枝病変における埋め込み後6ヵ月後の再狭窄を減少させたと報告された.それを受けTAXUSⅡトライアルでは新規冠動脈1枝病変において溶出速度の異なる2種類のパクリタキセル溶出性ステント(Slow-release:SR,Moderate-release:MR)の安全性と有効性を検討するためにデザインされた.

対象

 多施設(カナダ,アルゼンチン,シンガポール,欧州,オセアニアの15ヵ国38施設)から抽出.18歳以上の安定/不安定狭心症または無症候性虚血,経皮的冠動脈形成術(PCI),または冠動脈バイパス術(CABG)施行可能例で,冠動脈造影上,直径3.0mm以上3.5mm以下の冠動脈に新規1枝病変(50~99%,長さ12mm以下と推定される狭窄)が認められる536例を対象とした.

方法

 無作為割り付け,二重盲検法で,それぞれ2つのコホート群(タクサスSR群131例,タクサスMR群135例,対照群BMS 270例)に割り付けた.タクサスステント(SR)はステンレススティールステント(NIR)にパクリタキセル 1μg/mm2をコーティングした.植込み後48時間は急速に薬剤溶出し,その後約10日間は溶出量が低下するようにデザインし,MRは10日間の溶出量をSRの8倍となるようにデザインした.対照群には非被覆のNIRステントを使用した.ステントは3.0,3.5mm径,15mm長で20mmのデリバリーバルーンカテーテルに装着したものを使用した.
 ステント植え込み前にすべての症例においてクロピドグレル300mgを投与し,植え込み後はクロピドグレル75mgまたはチクロピジン500mg分2の投与を少なくとも6ヵ月間以上投与し,アスピリンは75mg以上を少なくとも12ヵ月間以上継続投与した.
 手技後1,6,12ヵ月後に臨床状態を評価し,5年後まで年1回追跡調査を施行し,手技後6ヵ月後に血管内超音波(IVUS)および冠動脈造影を実施した.1次エンドポイントは6ヵ月後のIVUSにおけるステント内狭窄率,2次エンドポイントは主要有害心イベント(MACE)(心臓死,心筋梗塞,標的血管再血行再建率(TVR),標的病変再血行再建率(TLR),ステント内血栓)に設定した.各2群間はログランク検定,X2検定,フィッシャーの正確検定などを用いp値0.05未満を有意とした.

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