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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

2.心臓 b.血栓溶解療法 8.薬物溶出性ステント植込み後患者における,アスピリン・クロピドグレル両剤非反応性の頻度とその臨床的意義

中川義久

血栓と循環 Vol.19 No.3, 88-90, 2011

出 典
Gori AM, et al:
Incidence and clinical impact of dual nonresponsiveness to aspirin and clopidogrel in patients with drug-eluting stents.
J Am Coll Cardiol 52(9):734-739, 2008

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 クロピドグレルへの非反応性は薬物溶出性ステント植え込み後の血栓症の予測因子である.アスピリンとクロピドグレル両剤への非反応性が薬物溶出性ステント植込み後の血栓症と関連があるかについてはデータが存在しない.
 本研究はRECLOSE試験(Buonamici P, et al:J Am Coll Cardiol 49:2312-2317, 2007)の対象患者をもとに,クロピドグレル非反応性に加えてアスピリン非反応性をもつ患者の発生頻度と,その患者において薬物溶出性ステント植込み後のステント血栓症のリスク増大との関連を調べることを目的として行われたものである.1次エンドポイントは薬物溶出性ステント植込み6ヵ月後のステント血栓症(ARCの定義でのdefiniteまたはprobable)で,2次エンドポイントは心臓死またはステント血栓症の複合エンドポイントである.

対象

 RECLOSE試験対象者804例のなかで血小板反応性データが得られた746例が本研究の対象である.追跡期間は6ヵ月である.RECLOSE試験の対象は,冠動脈疾患のためシロリムスまたはパクリタクセル溶出性ステント植込みを受け6ヵ月間アスピリン325mg/日およびクロピドグレル75mg/日の2剤の抗血小板剤を服用した患者である.冠動脈疾患としては,安定冠動脈疾患,急性冠症候群,ST上昇型急性心筋梗塞患者を含んでいる

方法

 血小板反応性は,アスピリンはアラキドン酸を,クロピドグレルはADPを凝集惹起剤と用いて比濁法による光透過性を測定した.血液サンプルはクロピドグレル負荷用量600mg投与から12~18時間後に採取した.クロピドグレルおよびGP Ⅱb/Ⅲa受容体拮抗薬の両方の負荷用量投与を受けた患者では,血液サンプルは6日後に採取した.その間患者はクロピドグレル75mgおよびアスピリン325mgの投与を受けた.クロピドグレル非反応性はADP誘発性血小板凝集が≧70%,アスピリン非反応性はアラキドン酸誘発性血小板凝集が≧20%と定義された.

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