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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

2.心臓 a.虚血性心疾患 5.流血中の内皮細胞の数と急性冠症候群に関する研究

室原豊明

血栓と循環 Vol.19 No.3, 65-66, 2011

出 典
Boos CJ, et al:
Relationship between circulating endothelial cells and the predicted risk of cardiovascular events in acute coronary syndromes.
Eur Heart J 28(9):1092-1101, 2007

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 1997年に浅原らにより,成人の末梢血液中に血管内皮細胞に分化できる細胞が流れていることが報告され,内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell:EPC)と命名された.その後多くの基礎的,臨床的研究が発表され,これらの細胞は成人では骨髄に由来すること,移植すると血管新生を誘導できることなどが報告された.さらに,流血中のEPCの数は血管内皮機能と正相関すること,冠動脈危険因子の数とは逆相関すること,ある時点で測定してこの細胞数が多い個人は少ない個人よりも将来の心血管イベント数が少ないことなどが相次いで報告された.よって,この細胞数の多少は将来の心血管イベントの予測マーカーとなる可能性がある.
 本試験では,EPCではなく,通常の内皮細胞,すなわち血管内皮障害が進んだ結果剥離してきた成熟内皮細胞(circulating endothelial cells:CECs)を測定している点で,これまでの上記のような報告とは異なっている.

対象

 年齢40~80歳の不安定狭心症(UA),ST非上昇型心筋梗塞(NSTEMI),ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者合計197例を対象とした.

方法

 CEC数は,静脈血を用い免疫ビーズ法で測定した.4種類の急性冠症候群(ACS)患者のリスクスコア,すなわち(PURSUIT, TIMI for NSTEMI/UA, TIMI for STEMI, GRACE)が,入院12時間以内の各患者において計算された.また,年齢性をマッチさせた50人の健康なコントロール群(healthy control:HC)が設定された.

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