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データブック アテローム血栓症の大規模臨床試験 PART3

1.動脈硬化とイベント発症 1.ABO(H)血液型と血管疾患の関連:系統的および大規模調査の解析から

小櫃由樹生

血栓と循環 Vol.19 No.3, 10-13, 2011

出 典
Wu O, et al:
ABO(H)blood groups and vascular disease:a systematic review and meta-analysis.
J Thromb Haemost 6:62-69, 2008

※図表に関しましては、割愛させていただいております。

要 約

背景

 ABO(H)血液型と血管疾患の関連は古くから論議され,O型に比し非O型において血管疾患の発症率が高いと指摘されているが,いまだ一定の見解が得られていないのが現況である.そこで,非O型と血管疾患の関係はvon Willebrand factor(VWF)/factor(F)Ⅷの血中レベルと血栓症との関連性に類似するとの仮説を立て,電子媒体から検索しえる系統的および大規模臨床調査を解析し,検討した.

方法

 MEDLINE, EMBASE, the Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature print index(CINAHL),Ovid OLDMEDLINE(1950-1965)および最近の主要学会の抄録集から検索しえた256論文のうち,ABO(H)血液型と転帰が確かな心筋梗塞(MI),狭心症(AP),閉塞性動脈硬化症(PAD),脳血管障害(CIAO)ならびに静脈血栓塞栓症(VTE)との関連性を論じた59論文(MI:22,AP:8,PAD:8,CIAO:7,VTE:21)を対象とした.対象論文におけるO型と非O型,O型とA型およびVTEにおける遺伝子型について比較検討を行った.

結果

 O型に対する非O型のOdds比は,MI:1.25(95% CI 1.14-1.36),AP:1.03(95%CI 0.89-1.19),PAD:1.45(95% CI 1.35-1.56),CIAO:1.14(95% CI 1.01-1.27),VTE:1.79(95% CI 1.56-2.05)であり,APだけにリスクの増加が得られなかった.また,前向き試験に限ればMIのみにOdds比 1.01(95% CI 0.84-1.23)と関連性が認められなかった.O型とA型における検討においてもO型と非O型と同様な結果が認められた.VTEにおける遺伝子型の検討ではOO/A2A2/A2Oに対するA1A1/A1B/BBのOdds比は2.44(95% CI 1.79-3.33)で,A1O/BO/A2Bでは2.11(95% CI 1.66-2.68)と,A抗原ならびにB抗原の量によるOdds比の上昇が確認された.

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