Answer  頸動脈ステントは,頸動脈狭窄による脳梗塞予防として2008年より日本で保険認可されており,現在の適応は症候性の50%以上狭窄,または非症候性の80%以上狭窄である.急性期の合併症として脳梗塞がある.プラークを拡張する際に,プラーク内容物が飛散することにより生じると考えられ,末梢保護器具の使用が推奨される.現在,末梢保護器具としてフィルター型の器具およびバルーン閉塞型の器具が保険認可されている.しかしながら末梢保護を行っても症候性で6%,非症候性で3%程度の脳梗塞の合併が報告されている.この合併率は頸動脈内膜摘徐術においても同等であり,頸動脈治療の最大の問題点といっても過言ではない.