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血栓症に関するQ&A PART6

8.薬剤 Q65 抗血小板・抗凝固療法中に消化管の内視鏡検査や内視鏡手術が必要になった場合,どうしたらよいでしょうか

勝田洋輔

血栓と循環 Vol.19 No.1, 215-217, 2011

Answer
はじめに

 消化器内視鏡検査や内視鏡手術(以下両者を合わせて内視鏡処置とする)を受ける患者で,抗血小板療法・抗凝固療法(以下両者を合わせて抗血栓療法とする)を受けている患者は15%程度といわれており1),年々その率は上昇している.その際に抗血栓療法を中止すべきか,中止するならばどの程度の期間中止すべきかが,臨床上大きな問題である.以下に各種ガイドライン(Guideline:GL)による一般的対応法,これらGLの問題点,組織生検時の対応および冠動脈薬物溶出性ステント留置患者の対応について述べる.なお,抗血栓療法の具体的内容のほとんどが,ワルファリン・アスピリン・チエノピリジン系薬剤であるため,ここでは主にこの3剤について記載する.

どのように対応すべきか:リスクの層別化と各種GL

 抗血栓療法を中止すべきか否かについては,手技による出血のリスクと抗血栓療法を受ける原因となった原疾患による血栓症のリスクを層別化し,その組み合わせに応じた対応が推奨される.さらに使用薬剤の種類により中止期間や対応が異なっている.表1,図1に各種ガイドラインによる対応法とその相違点を示す.

その主な特徴は,日本循環器学会GLがすべての内視鏡処置を高リスク手技とみなしている点と,米国消化器内視鏡学会GLがすべての手技・原疾患においてアスピリンの中止を不要としている点である.内視鏡処置における抗血栓療法の中止については,原則的にはGLに則った抗血栓療法の中止手順に従うべきであるが,血栓塞栓症のハイリスク原疾患群では抗血栓療法の中止の可否と代替療法について慎重に検討する必要がある.

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