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トロンボモジュリン(thrombomodulin:TM)の機能
トロンボモジュリン(thrombomodulin:TM)は,凝固酵素トロンビンを抗凝固酵素へと変換する内皮細胞上の膜蛋白である.すなわち凝固カスケードの最終産物トロンビンはフィブリン形成,血小板活性化,凝固第Ⅴ,Ⅷ因子などの活性化などを介し,血栓形成に極めて重要な働きをするが,TMと結合すると,これらの血栓形成的な活性は全く消失し,逆にTM上のトロンビンの近傍に結合したプロテインC(PC)を効率よく活性化する.活性化PC(APC)は,図1に示したように,活性化第Ⅴ,活性化Ⅷ因子を分解し,凝固カスケードにネガティブフィードバックをかけるほか,受容体EPCR上のAPCはPAR-1(protease activated receptor-1) を介して細胞保護,抗アポトーシス,抗炎症的に作用する1)2).
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血栓症に関するQ&A PART6
8.薬剤 Q64 トロンボモジュリンの血栓症治療薬としての有用性についてご説明ください
掲載誌
血栓と循環
Vol.19 No.1 212-214,
2011
著者名
丸山 征郎
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
血液
/
脳血管障害
/
再生医療
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
/
脳神経外科
/
神経内科
/
血液内科
/
麻酔科
/
手術・救急
媒体
血栓と循環
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。