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血栓症に関するQ&A PART6

5.血液凝固・線溶系 Q39 VWFの産生と代謝の関係とはどのようになっているのでしょうか

松下正

血栓と循環 Vol.19 No.1, 134-137, 2011

Answer
von Willebrand因子とは?

 von Willebrand因子(VWF)は巨大かつmultimericなglycoproteinであり,生体では血漿,血小板α顆粒,内皮細胞Weibel-Palade小体,内皮下結合組織に存在する.VWFの止血における役割は(1)血小板の内皮下結合組織への粘着を介する一次止血機能,(2)凝固第Ⅷ因子へ結合してこれを安定化することによる内因系凝固因子としての機能の2つに分けられる.したがってvon Willebrand病(VWD)の病態,検査所見,臨床症状はこの2つの機能の低下による.

VWFの生合成と分泌

1.VWFの蛋白構造

 VWFは全身の血管内皮細胞で産生されることがわかっており1),その他には巨核球がその産生ソースとなっている2).図1にVWFサブユニットの生成過程を示すが,2813アミノ酸からなる遺伝子翻訳産物(preproVWF)が22アミノ酸からなるシグナルペプチドが切断されてproVWFとなったあと,741アミノ酸からなるpropeptideがはずれて2050アミノ酸によるVWF mature subunitとなる.

VWFのcysteine残基含有量はpreproVWFにおいて8.3 percentと他の蛋白に比べても群を抜いて多く,しかも存在するすべてのcysteine残基は酸化されており3),後述するダイマー形成,マルチマー形成のためのジスルフィド結合形成に供されている.VWFは12個のN型糖鎖,10個のO型糖鎖が付着しN型糖鎖には他の一般的な蛋白と異なりABO血液型糖鎖がさらに付着しているのが特徴的である4).

2.ダイマー形成とマルチマー形成

 図2にVWFが翻訳されpreproVWFとなったあとのプロセッシングについて模式化した.

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