Answer ワルファリン単独療法が原則  脳卒中またはTIAの既往がある非弁膜性心房細動患者に対するワルファリン単独療法の大出血リスクは年間1.5%であるが,ワルファリンと抗血小板薬の併用療法では年間4.95%と有意に高く(p<0.004),しかも虚血イベントの有意な減少のないことがSPORTIF(the Stroke Prevention using an ORal Thrombin inhibitor in Atrial Fibrillation)試験で示されている1).また種々の塞栓源心疾患をもつ症例におけるメタ解析2)でも,併用療法で出血性合併症が有意に増加することが示されている.このように,ワルファリン単独療法に抗血小板薬を追加することで出血性イベントが増加するという明確な証拠がある一方,再発防止効果が向上するという証拠は存在しない.したがって心原性脳塞栓症再発防止は,原則的にワルファリン単剤で行うことが望ましい.ただし,適切な抗凝固療法を行っていたにもかかわらず虚血イベントを再発する場合には抗血小板薬の追加が考慮されうる3-5).