Answer はじめに  わが国における脳卒中(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血)による死亡者は年間約13万人で,死亡原因の第3位を占めており,脳卒中罹患者数は272万人と推定されている.また,脳卒中は寝たきりの最大の原因でもあり,高齢化の進行に伴い患者数はますます増加していくと考えられる.特に脳梗塞は脳卒中全体の3/4を占める疾患であり,いったん発症すると永続的な後遺症が残存する可能性も高いことから,その発症予防を確立していくことが極めて重要である.脳梗塞発症の危険因子としては高血圧,糖尿病,脂質異常症,心房細動,喫煙,慢性腎臓病など多くの要因がある.ここでは最大の危険因子である高血圧に関して述べる.