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はじめに
脳虚血の原因は脳内小動脈の閉塞によるラクナ梗塞,主幹動脈の動脈硬化が原因となるアテーローム血栓性梗塞(atherothrombotic brain infarction:ATBI),心原性塞栓症に大別され,それぞれ大まかに1/3ずつを占める1).ATBIは頸部動脈から頭蓋内主幹動脈までの動脈硬化性病変によるものを含むが,その中で最も重要な病巣は頸動脈分岐部(内頸動脈起始部)の粥腫(プラーク)にある2).頸動脈分岐部はこのように脳血栓塞栓症において重要な位置を占めるのみならず,人体中で最も観察しやすい動脈である.すなわち,頸動脈分岐部は体表近くにあるので,エコーによる観察が容易であり,MRIにおいても高精細画像を得やすいという利点がある.さらに頸動脈分岐部の病変は外科的治療の対象にもなるので,その形態や性状を詳細に検討する意義がある.また,頸動脈は全身の動脈硬化の指標としても用いられている.
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血栓症に関するQ&A PART6
2.検査・診断 Q21 脳血栓塞栓症のリスク評価における頸動脈プラークイメージングの意義とはどのようなことですか
掲載誌
血栓と循環
Vol.19 No.1 76-77,
2011
著者名
山田直明
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
血液
/
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
血液内科
/
放射線科
媒体
血栓と循環
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。