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はじめに
最近,腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm:AAA)の発生ついて,実験動物の動脈瘤モデルなどを用いて興味深い仮説が提唱されているが,ヒトのAAAの発生やその増大,破裂に至る機序はいまだ不明である.腹部大動脈は他の動脈より瘤化の頻度が高く,また家系的発生や喫煙の関与も指摘されていることより,AAAは遺伝的要因,解剖学的要因,環境的要因が複合して形成されてくると考えられている.したがって,多因子によって成立すると考えられるAAAは,stage Ⅰ(aneurysm development,狭義の成因),stage Ⅱ(gradual expansion),stage Ⅲ(rapid expansion and rupture)の3つの段階に分けて検討されることが多い.まずは,AAAの基本的な特徴を確認し,その成因について迫ってみたい.今回は,炎症性や感染性ではなく,一般的な“変性”といわれているAAAについて述べる.
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血栓症に関するQ&A PART6
1.成因・危険因子 Q12 腹部大動脈瘤の発生メカニズムについて教えてください
掲載誌
血栓と循環
Vol.19 No.1 49-52,
2011
著者名
出口順夫
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
媒体
血栓と循環
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。