Answer 喫煙が血栓傾向を起こす機序  喫煙が動脈硬化と血栓形成を基盤とした心血管イベントのリスクである事実は多くの報告で明らかになっている1).血栓症には血液,血管壁,血流の三要素が関わるとしたVirchowの提唱は,現在でも血栓症のリスクを考える基本となる.近年これらの要素に関わる分子機構の詳細が明らかになってきたが,喫煙は,主に酸化ストレスや炎症反応を惹起することにより,いずれの要素にも影響し血栓形成を助長する.実際にはこれらの三要素が密接に関連し心血管イベントのリスクが高まることになる.まず個々の成分に分けて喫煙の影響を検討する.