Answer はじめに  外来微生物の侵略があった場合,もしくは組織の損傷があった場合,生体は非常事態体制をしき,この危機を乗り越えようとする.まず,感染を察知した免疫細胞,もしくは組織の損傷に伴って壊死した細胞は,アラーミンを放出することによって周囲に非常事態宣言をする.次に,これを受けた周囲の細胞は,炎症,免疫,組織修復のプログラムを立ち上げる.その結果,当該部位には救援細胞や救援物資が集められ,防衛活動や復旧活動が進められる.このように,アラーミンは生体防御的役割を担っているのだが,その一方で,大量のアラーミンが全身を循環すると,全身性炎症反応症候群(SIRS)や播種性血管内凝固症候群(DIC)が引き起こされる.