全文記事
血栓症に関するQ&A PART6
特集によせて
掲載誌
血栓と循環
Vol.19 No.1 11,
2011
著者名
重松 宏
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
高血圧
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
血液
/
脳血管障害
診療科目
一般内科
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循環器内科
/
心臓血管外科
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脳神経外科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
血液内科
/
老年科
媒体
血栓と循環
本誌が発行されて20年近くを経たが,Q&Aシリーズも今回で第6回目を迎える.1990年に12.1%であった65歳以上の高齢者人口比率は,2010年には25%に及び,1997年に690万人であった糖尿病患者数は,僅か10年後の2007年には890万人に達し,境界型のものを入れると2,200万人を超えるとされている.高齢者人口の急増と糖尿病や脂質異常症,高血圧などの生活習慣病の増加などを背景に,血管疾患の増加が顕著となってきている.さらに末梢閉塞性動脈疾患や虚血性心疾患,脳血管障害などの患者群は,相互に他臓器病変を有することの少なくないことが明らかとなり,個別に独立した疾患と考えるのではなく,アテローム血栓症として包括的にとらえ,診断や治療にあたるべきであるという考え方が定着しつつある.血栓症を背景とした心血管イベントによる死亡は,世界の死亡原因の22%を占めて最も多く,わが国においても30%に及び,悪性腫瘍と同等の頻度となっている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。