特集 睡眠時無呼吸症候群:基礎から臨床
全身疾患としての睡眠障害:機序と臨床
4.夜間頻尿
THE LUNG perspectives Vol.28 No.1, 42-45, 2020
夜間頻尿は高齢者の最も困る症状であり,加齢とともに増加する.夜間頻尿の原因としては,泌尿器疾患,水分過剰摂取,睡眠障害,高血圧などがあり,それらが複雑に絡み合っている.治療では,先ずは泌尿器疾患の有無の確認とその治療を行うと同時に,排尿記録の記載から適正な1日尿量に合うように飲水量を調節するよう指導する.睡眠障害は睡眠薬の投与による診断的治療もあるが,難治性の夜間多尿の場合や,夜間頻尿に加えて夜尿症の出現や夜間のみの切迫性尿失禁があれば睡眠時無呼吸を疑う.高血圧症では夜間高血圧や早朝高血圧が夜間頻尿と強く関連しているので,睡眠障害を含めて治療する必要がある.夜間頻尿は自らの自覚によって改善できる要素が多く,予後に関連することから,患者教育・啓発活動が重要である.
「KEY WORDS」泌尿器疾患,水分過剰摂取,睡眠障害,睡眠時無呼吸,高血圧
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。