特集 睡眠時無呼吸症候群:基礎から臨床
全身疾患としての睡眠障害:機序と臨床
3.脂肪肝の成因
THE LUNG perspectives Vol.28 No.1, 39-41, 2020
脂肪肝には大滴性脂肪肝と小滴性脂肪肝があり,通常は脂肪肝とは大滴性脂肪肝を指す.脂肪肝の最も多い成因は肥満(いわゆるメタボリックシンドローム)と飲酒であり,近年症例は増加傾向にある.閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は肥満,メタボリックシンドロームと密接に相関しているが,非アルコール性脂肪肝(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とも非常に密接に関連していることが明らかになってきている.OSAはNAFLD/NASHの危険因子として注目すべきであり,OSAに対する治療・介入は消化器内科医の立場からも非常に重要と考えられる.OSAも脂肪肝や糖尿病などと同様にメタボリックシンドロームの一連の疾患群の一つととらえられることができ,OSAに介入することが脂肪肝だけでなく,各種メタボリックシンドローム疾患の改善の一助となる可能性がある.
「KEY WORDS」メタボリックシンドローム,非アルコール性脂肪肝(NAFLD),非アルコール性脂肪肝炎(NASH),閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
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