特集 肺移植─呼吸器医が知っておきたい我が国の現状─
基礎医学とのダイアローグ
1.造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の病態メカニズムとその制御
THE LUNG perspectives Vol.27 No.4, 47-52, 2019
同種造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation: HSCT)は,近年,造血幹細胞ソースや移植法の多様化,また支持療法の向上を背景に,その適応を拡大し,長期生存者が増加している.一方で,移植後半年を超えて発症する慢性移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)やその関連疾患など晩期合併症が問題となっている.とりわけ,移植後非感染性肺疾患は長期生存者の生命予後に影響する重要な合併症であり,早期診断と治療法の確立は喫緊の課題となっている.本稿ではまず一般的なHSCT後のGVHDについてまとめ,次いで,肺慢性GVHDである閉塞性細気管支炎について概説する.
「KEY WORDS」同種造血幹細胞移植,移植片対宿主病,閉塞性細気管支炎
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