特集 肺移植─呼吸器医が知っておきたい我が国の現状─
肺移植の手術技術とその進歩
THE LUNG perspectives Vol.27 No.4, 27-31, 2019
脳死肺移植は1964年に米国のJames Hardyらによって第1例目が実施されたが,満足のゆく長期生存が達成されるまでにはその後およそ20年を要した.1983年,J.D.Cooperらは間質性肺炎患者に対する脳死片肺移植として世界で最初の長期生存例を報告し,肺移植はその後急速に世界中に広がった.以後,肺移植は脳死移植のみならず生体肺移植にもその領域を広げながら,①外科技術,②虚血再灌流制御,③急性・慢性拒絶反応の診断・治療,④感染症治療等の諸領域の進歩に支えられてその成績を向上し,現在までに末期呼吸不全に対する最後の治療手段として確固たる地位を築いてきた.本稿では肺移植技術的の進歩に触れながら,その歴史と現在の技術を紹介する.
「KEY WORDS」肺移植,手術技術,気管支吻合,血管吻合,体外循環
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