肺移植医療における呼吸器内科医の役割には,適切なタイミングでの移植施設への紹介,併存症の管理,肺移植後の投薬,移植後合併症の診療,生活習慣に関するアドバイスなどが挙げられる.肺移植認定施設の医師のみならず,肺移植の適応となりうる患者の診療に関わる医師は肺移植医療に関する知識を有する必要がある.肺移植医療において,精神状態や社会的背景を含む患者の状態を十分に理解しているかかりつけ医の役割は大きい.本邦では海外の主要肺移植施設と比較して肺移植医療を専門とする呼吸器内科医が極めて少なく,肺移植における呼吸器内科医の関与が十分ではない現状がある.本邦での肺移植件数は増加傾向であり,今後の良質で安全な肺移植診療のためには呼吸器内科医がより大きく寄与できる体制づくりが必要である.
「KEY WORDS」かかりつけ医,拒絶反応,感染症,肺移植適応評価,免疫抑制剤
「KEY WORDS」かかりつけ医,拒絶反応,感染症,肺移植適応評価,免疫抑制剤