リンパ脈管筋腫症(LAM)は主に妊娠可能年齢の女性に発症する希少疾患で,その本態は結節性硬化症(TSC)の原因遺伝子であるTSC1あるいはTSC2遺伝子異常を原因とした全身性腫瘍性疾患である.胸部画像において無数の肺囊胞を形成する特徴があり,時に肺気腫との鑑別が必要となるが,画像所見を詳細に検討することと患者背景を考慮することが重要である.また,Birt–Hogg–Dubé症候群(BHDS)やランゲルハンス細胞組織球症(LCH)などの囊胞性肺疾患との鑑別においても,それぞれの特徴的な画像所見を熟知しておくことや臨床像を検討することが鑑別に重要である.
「KEY WORDS」リンパ脈管筋腫症,肺気腫,囊胞性肺疾患