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特集 喫煙のサイエンスⅢ

心血管病変と喫煙―注目される新知見―

飯田真美

THE LUNG perspectives Vol.27 No.1, 53-56, 2019

喫煙によって活性酸素やフリーラジカルが負荷され酸化ストレスが増大すると,一酸化窒素の減少による血管内皮機能障害,血管平滑筋細胞の活性化が起こり,動脈の炎症や収縮が引き起こされる.また,喫煙は血清HDLコレステロール値の減少や酸化LDLの増加を起こし,動脈硬化プラークの形成を促進する.さらに喫煙は,血小板凝集能の亢進,凝固因子の活性化や各種接着分子の活性化,血漿フィブリノーゲン値の増加による血栓形成傾向との関連も示されている.それ自体が動脈硬化性疾患のリスク因子であるメタボリック症候群や糖尿病発症リスクも喫煙は増加させ,これらの要因が相互に関連し合って心血管疾患の発症に深く関係している.
「KEY WORDS」喫煙,酸化ストレス,血管内皮機能障害,アテローム,血栓,炎症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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