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第32回 細胞内輸送と自然免疫応答 第2回:Toll-like receptorシグナル

田口友彦向井康治朗

THE LUNG perspectives Vol.26 No.4, 83-87, 2018

自然免疫は先天的に備わった免疫であり,微生物などに固有の分子パターンを異物として認識し発動する.従来,自然免疫は獲得免疫の補助的な役割を果たすに過ぎないと考えられていたが,感染に際して初めに起こる自然免疫の発動なくしては獲得免疫も始動しないことが明らかになり,注目されている.前回では,DNAウイルスの感染などで出現する細胞質DNAに対する自然免疫応答の中心分子であるSTING(stimulator of interferon genes)1)について概説した.STINGは小胞体に局在するタンパク質であるが,細胞質DNAの出現に応じてゴルジ体へ移動し,ゴルジ体でパルミトイル脂質修飾を受けて活性化する2).細胞質DNAが存在する状況で,STINGの局在を小胞体に留める処理をすると,STINGが活性化できないことから,ゴルジ体に移行することがSTINGの活性化にとって極めて重要であることがわかる2).細胞内物質輸送が自然免疫応答と密接な関係にあることを示す好例である.
今回の連載第2回目では,“細胞外”に存在する異物に対して自然免疫応答を発動する重要分子toll-like receptor(TLR)の活性化機構を紹介する.この系においても,細胞内物質輸送が重要である.細胞内小器官,膜リン脂質というキーワードとともに理解していきたい.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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