大気汚染が認知症発症のリスクになることが疫学的な調査や基礎実験で明らかになりつつある.喫煙が認知症の危険因子であることはエビデンスとして確立しているが,室内気の汚染,たとえば受動喫煙も認知機能を低下させる可能性がある.大気汚染という地球環境問題や喫煙という生活習慣の問題は,呼吸器疾患や認知症にとどまらず,多くの臓器障害と関わるため,呼吸器科医を中心に多方面の医師が協調してこの問題に対峙することが望まれる.
「KEY WORDS」大気汚染,PM2.5,認知症,アルツハイマー病,COPD