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患者から医師へのシグナル

第82回 好奇心と感謝の心を忘れずに

小林茂

THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 100-104, 2018

毎年受けていた健康診断で,肺機能検査の結果から「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」の疑いがあるといわれたのは2016年の5月のことでした.「COPD」という言葉自体にも馴染みがありませんし,「肺が悪いのか……」と認識する程度でした.18歳になってから当時75歳までずっとタバコを吸っていましたし,28歳の時に独立して会社を興してからは1日3箱吸う程のチェーンスモーカーだったので,喫煙の習慣が原因だろうなぁとは思いました.問診を担当してくださった先生の見立てもやはり,原因はタバコとのことでした.そうはいっても,自分としては何の症状も感じていませんでしたので,どうにもピンときません.ですから,その後も生活習慣を見直すこともありませんでした.
そのまま変わらない日々を過ごし,3ヵ月程経った2016年8月頃のことです.夏休みに趣味で行った山登りの道中で,これまでに感じたことのない息苦しさを味わいました.特別高い山でもなく,ハードなコースだった訳でもありません.山道を登る時の苦しさといったら! 息を吸ってはいるのだけれども,酸素が吸えていない感じでした.通常なら1時間30分程度で回れるコースだったのですが,途中に休みをはさみながら3時間をかけてやっと下山しました.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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