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特集 急性期の呼吸器管理を検証する

基礎医学とのダイアローグ

2.メトホルミンによるNOX4の制御と肺線維化の抑制

佐藤奈穂子高坂直樹荒屋潤桑野和善

THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 71-75, 2018

特発性肺線維症(IPF)は,肺実質の線維化が慢性的に進行する予後不良の呼吸器疾患である.TGF-βは,IPF病態で線維化を促進する重要なサイトカインである.TGF-βの筋線維芽細胞分化誘導に,NOX4によるROS産生が関与する.メトホルミンは糖尿病治療薬であるが,様々な細胞機能制御に作用し,線維化病態を制御する可能性も報告されている.我々は,メトホルミンによるAMP-activated protein kinase(AMPK)活性化が,TGF-βによるNOX4発現とROS産生を抑制し,筋線維芽細胞への分化誘導を制御することを見出した.さらに,メトホルミンはブレオマイシン誘導性の肺線維化進展を抑制することも認めており,メトホルミンが特発性肺線維症の新たな抗線維化薬となる可能性が示唆された.
「KEY WORDS」メトホルミン,NOX4,肺線維症,筋線維芽細胞分化,TGF-β

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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