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特集 急性期の呼吸器管理を検証する

人工呼吸患者の栄養療法

海塚安郎

THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 57-65, 2018

各種疾患により急性呼吸不全に陥った症例では,原疾患に対する治療に加え,重症病態では臨床的アウトカムの改善のために各種全身管理を必要とする.その中の1つが栄養療法である.侵襲下生体恒常性維持を目的とした生体反応が,神経・内分泌・免疫系を介して惹起される.それにより代謝亢進,タンパク質異化反応が起こり,内因性エネルギーが利用(=身体構成成分の燃焼)され消耗が進む.適切な栄養療法が実施されない場合,人工呼吸器関連肺炎発症頻度の上昇,抜管・離床・退院遅延,死亡率の増加などの不利益が起こる.症例によっては,疾病発症時すでに栄養障害に陥っており,特に高齢者では少なからず存在している.
以上から自主的な栄養摂取ができない挿管呼吸管理患者にとって,適切な栄養療法は不可避かつ適切に取り組むべき問題である.現状における標準的な栄養療法は,入室時栄養評価(nutritional assessment)に基づき,入室24~48時間以内の早期経腸栄養,初期目標値設定(20-25kcal/kg(BW)/日),血糖値管理,細胞内電解質(K,P,Mg)の補正を基本とし,介入後も繰り返しモニタリングを行う.最終的には患者個別性を反映した栄養療法である.
「KEY WORDS」内因性エネルギー,侵襲,異化亢進,早期経腸栄養

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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