特発性肺線維症を中心とする間質性肺炎(ILD)合併肺癌の手術では,術後の致死的急性増悪が問題であり,本邦の肺癌手術後死亡原因の第1位を占める.最近の大規模後ろ向き研究により,その発生頻度やリスク因子が明らかとなり,術後急性増悪(AE)の発生率を予測するリスクスコアが提唱されるなどの進展があったが,発生を抑制するための予防策は確立されていない.ILD合併肺癌のうち,特発性肺線維症(IPF)合併肺癌については周術期ピルフェニドン療法の効果が期待されており,現在進行中の第Ⅲ相試験(NEJ034)の結果によってその有効性が証明されれば,術後AE予防の標準治療が確立されるものと注目されている.
「KEY WORDS」間質性肺炎合併肺癌,ピルフェニドン,特発性肺線維症,リスクスコア
「KEY WORDS」間質性肺炎合併肺癌,ピルフェニドン,特発性肺線維症,リスクスコア