特集 急性期の呼吸器管理を検証する
急性Ⅱ型呼吸不全と経皮CO₂モニタリング
THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 29-35, 2018
呼吸不全の管理において重要なポイントは,酸素投与のみでよいか(Ⅰ型呼吸不全),人工呼吸器や非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)などの換気補助が必要であるか(Ⅱ型呼吸不全)を判断することである.当初は換気補助が不要であっても,治療経過中にⅡ型呼吸不全に陥り,換気補助が必要になる場合もある.このように換気状態を把握する方法としては,標準的には動脈血ガス採取を行い,酸素分圧や二酸化炭素分圧のモニタリングを行う.しかし定期的な動脈血ガス採取および分析は,手術室や集中治療室(ICU)など限られた状況で,さらに患者も鎮静下にある場合には可能であるが,一般病棟や患者が不安定であるような状況では不可能である.さらに動脈血ガス採取は数時間ごとの定期的な評価は可能であるが,長時間にわたるリアルタイムのモニタリングはできない.
これらの問題点に対応できる装置として,経皮的二酸化炭素分圧測定装置が注目されている.本稿では,本装置の精度や最近の文献報告,臨床現場での使用経験などについて紹介したい.
「KEY WORDS」経皮CO₂モニタリング,急性Ⅱ型呼吸不全,PtcCO₂,NPPV,一般病棟
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