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特集 急性期の呼吸器管理を検証する

急性呼吸不全の病態生理

一和多俊男

THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 11-15, 2018

呼吸不全は,Ⅰ型呼吸不全(低酸素性呼吸不全;PaO₂≦60 Torr,PaCO₂≦45 Torr)とⅡ型呼吸不全(換気不全;PaO₂≦60 Torr,PaCO₂>45 Torr)に分類され,一般にⅠ型呼吸不全はⅡ型呼吸不全より予後が不良である.Ⅰ型呼吸不全は肺胞気動脈酸素分圧較差(A-aDO₂)が開大する低酸素血症であり,換気血流比(VA/Q)不均等・拡散障害・右左シャントにより生じるが,VA/Q不均等がⅠ型呼吸不全の主因である.Ⅱ型呼吸不全は,肺胞換気量(VA)低下(肺胞低換気)による高CO₂血症をともなう低酸素血症であり,A-aDO₂の正常な群と開大する群に分類される.呼吸不全は,発症形式により急性呼吸不全(acute respiratory failure)・慢性呼吸不全(chronic respiratory failure)・慢性呼吸不全の急性増悪(acute on chronic failure)に分類されるが,急性呼吸不全は臨床経過が数時間から1ヵ月未満で呼吸不全に至るものを指すのが一般的である.呼吸不全は発症形式が異なっても病態生理は同様であり,一般に単一の病態ではなく複数の病態が関与している.
「KEY WORDS」Ⅰ型呼吸不全(低酸素性呼吸不全),Ⅱ型呼吸不全(換気不全),換気血流比(VA/Q)不均等,拡散障害,右左シャント

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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